2009年1月30日

ヴィンテージマンション ビラビアンカ 東京

いつもいつも番外編的なブログの内容ですみません!

去年の秋頃に仕事で東京に行った際に一目惚れした建物が
この写真に写っているヴィテージマンションの名作ビラビアンカです。


1964年に竣工され、今も渋谷区神宮前で建物内にカフェやレストランなどが
営業しながら現役で活躍中です。

あまりの素敵さにカメラを取り出しましたが打ち合わせに向かう途中で
時間がなく車がいなくなるまで待つ時間がなく全貌がきちんと撮影できず
無念でした。


雑誌「東京人」のバックナンバー2004年9月号の特集「東京オリンピック1964年」に
オリンピックの施設建築の特集がされているのですが、それにも少し「ビラビアンカ」
も掲載されているようなので取り合えず取り寄せました。

またビル仲間で集まった時に本を見ながら飲みたいなあと地味に楽しみな今日この頃
です。

この特集号他の内容も面白そうです。

2009年1月24日

船場の渋ビル



ズキュン!と心奪われました。
1970年代的外観に使うべく素材を余すことなくちりばめる絶妙なバランス・・・
こんなにイカしたビルにそうそうお目にかかれるもんではないです





あなたのようなビューティフルガイを眺める事ができて、自分幸せッス!
と前を通る度にいつも心の中でつぶやくワタクシ




なによりもこの階段に注目
左右の手すりがそれぞれ自由なフォームでひねり上がっていく美しさ
両手に花満開であります!
この形!この艶!!このテリ!!!
さらには階段の断面が丸見え・・・うっとり、メロメロです



小ワザもなかなか効いていて、オリジナルの時計やサインもさりげなく
完全にツボをおさえられてしまいました



会議室のデスクとパイプイスがちょいと味気なくそれもまた良し
床には木製のパーケットが敷かれ、
天井の可動パーティションレールの縁にも木を使う
当時の建物造りの心意気を感じずにはいられません




                  さーてここからはR18指定!




時を経て滲み出た色気のある階段室
触れるとドキッとするくらい美しい形状の手すり、
エレベーター横のタイルがしっっとりと、湿度を持って艶やかに鈍い光を放つ
妖艶でちょっとだけアブナイ魅力、熟年の輝きと色気・・・

(写真が上手く撮れず伝わらないかも、いやいやそれ位でよかったとさえ思う)




これ以上はいけません、ああこんなにも美しい・・・




※この建物はある会社が自社利用されています、
もし見つけても許可なく立ち入るような事は決してしないで下さいね

2009年1月16日

新谷町ビル

谷6の駅を出て谷町筋を南に下って行くと
ながーーーーい新谷町ビルが道路を挟んで両サイドに建ってます。


外からみると地味なもんなんですが(それもそれとして素敵ですが)
用事があって中に入る機会がありました。
すると、そこにはビルマニアを刺激するポイントがもりだくさん。

小ネタ感覚でお楽しみください。


トイレの表示。
この男女のシルエットは、確実に昭和モデルですよね。
昭和なビルのトイレ表示は、ビルごとに個性があっておもしろい!


もうちょっとトイレで攻めます。
今では珍しいこの液体石鹸のシルエット。
改めて見ると、とても美しくありません?


ふつうの扉ですが、この、異常にビビットな扉の色もかわいいし、
浮き出た"締切"サインの文字。書体もこの位置も、愛嬌があります。
昔は手間をかけてこういうのを作っていたんですねえ


無愛想でそっけない照明スイッチ。
だけど、シンプルイズベスト。
どのスイッチがなんなのか、もはやわかりませんが。


最後にこのクールなエントランス。
壁の質感と床のつやつや感。光の入り具合もとてもかっこいい!
入り口の全面ガラスは、今見てもとてもモダンな設計です。

現代は、機械化され、量産化され、
ものの味わいがどんどん薄れていっているようで悲しい。
古いビルには、こういう、ちょっとぶきっちょな
作り手の顔がみえるようなところがある。

それが、私にはとても愛おしく思えるのです。

2009年1月12日

BMCがCasa BRUTUSに!


カーサブルータスの2月号は恒例の住宅特集。
リノベーションの西の雄として、アートアンドクラフトが大きくフィーチャーされてます。
そこでA&Cに所属する2人のビルマニアが写真付きで登場、
熱くビルの未来を語っています。
途中から会社の紹介なのか、ビルの紹介なのかわからない事態に・・・。

ぜひ書店でご覧ください!

でんでん建築


またか、そういわずにお付き合いを。
大阪城天守閣からちょうど南の方角、大阪城公園と阪神高速に挟まれた一角にNTT西日本があります。あまり人気もなく、南に面してはビュンビュンと車が走り抜ける都会の荒涼。周辺に高いビルも少なく、結構目立っているのに、明らかに誰からも相手にされてない。しかし、そんなあなたをビルマニアはしっかりみています。


昭和37年に建てられた「東電話局」、現在は「NTT西日本馬場町ビル」と呼ばれています。写真が掲載された雑誌のコピーが手元にありますが、この頃はまだ阪神高速も通っておらず、すっくと建つ清廉な佇まいはこちらも背筋が伸びる思いがします。


昔は1階の壁と柱は打放しだったのですね。四角いハコに連続窓と庇をくり返し。愚直といえば余りに愚直ですが、そのケレン味のない誠実な佇まいにどうしようもなくビル萌えです、って何言ってんだ?


この連続窓と庇のスタイル、実は電話局ではなく郵便局の専売特許。戦後復興期から高度経済成長期にかけて、大量の郵便局舎を整備していくために編み出された、〒マークと並ぶ郵便局のアイデンティティ、それが「郵政建築」と呼ばれたこのスタイルです。みなさんの街の郵便局も、少し古い局舎ならグルッと庇が回っていませんか?たとえば大阪なら、天神橋の日本郵政グループ大阪ビル(大阪郵政局)とか。


なぜ電電公社がこのビルで郵政スタイルを取り入れたのかは調べられていませんが、電電公社と郵政省は双子の兄弟、もとは逓信省というひとつの組織でした。とても深い関係があります。そして電話局と郵便局、どちらもそれこそ全国津々浦々、どの街にも必ずひとつはあるわけで、これまで本当に大量の電電ビル、郵政ビルが建てられてきました。その量と質が街に与えた影響というのは、ビル界(?)でも群を抜くと思うのです。だからこうやって電電ビルを追いかけていけば、街の戦後ビルの魅力の秘密がわかる、そんな予感がするわけです。


ところで先ごろ、『郵政建築』なる立派な本が出版されました。逓信時代から民営化された現在まで、郵政建築の流れを詳しく辿ることのできる資料性の高い書籍です。もちろん次は『電電建築』を是非。


ちなみにとなりに建つNTT西日本ビルは巨大なチョコレートビルです。クリスピー。

2009年1月9日

ビルマニアグッズ販売★京都恵文社にて


bmcメンバーの一人、夜長堂いとし紙展 2009 紙の輪」が京都・一乗寺の恵文社にて開催中です。
夜長堂プロデュースのビルマニアグッズの数々も販売されますのでぜひ足を運んでください!
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古道具と、ヴィンテージの紙や着物、古着などを復刻した「モダンペーパー」でお馴染みの夜長堂が、一年中で一番「日本」を感じる新年にぴったりな着物の図柄や羽裏の図柄をモチーフにしたペーパーの新作を取り揃えてご紹介します。
懐かしくて新しい「日本」を見つけに是非足をお運びください。


※ダイビルの名品喫茶大大阪でも販売続行中!

2009年1月4日

ビルの年が明けました!


ビルマニアのみなさま、あけましておめでとうございます。
2008年はビル元年でした。さてさて今年はどんな年になるのでしょう?

お正月なので新年に最も相応しい場所をご案内します。
そう、この清々しいトコロは、新ダイビルの屋上。
新地の実にスマートでさりげない風格の漂うこのビルの屋上が、
平日のお昼休みは開放されていること、ご存知ですか?
なんだか都心の屋上とは思えない風景なのです。
ぽっかりとポカポカと、ここはペンギン村なのか・・・?
そんな気さえしてしまうこの屋上。
こんな人もたくさんいます。
あと、太極拳みたいなことしている人とか、もちろんお弁当食べてる人。

ブラブラと歩いていると、
たぶんこれまでの人生で1,2を争うくらい住んでみたい部屋を見つけてしまいました・・・
なにこの物件~?!住みたい、住みた過ぎる・・・
なんと牧歌的というかジブリというかペンギン村というか、幸せ過ぎやしませんか?
しかし、ユルんでいると見せかけて、
ビシっとディテールは効いているのだ。むむむ村野藤吾、恐るべし、恐るべしです。
輸出繊維会館、浪花組、フジカワ画廊など、村野藤吾の建築は
「どうしてこうしたのかわからない」「こんなんしていいって許されたのかな?」
という気持ちを巻き起こされることばかりで、
でもだけど確かにその造形は素晴らしく、うーん・・・スゴイ・・・としか言いようがなく。

中でもこの新ダイビルの屋上のこの塔屋の不思議さは、感無量です。

そしてもちろん、手摺も素晴らしいのです。どんなに裏階段であっても。
今はちょっと寒いかも。でも、春になって暖かくなったら、
ぜひここでみんなでお花見ならぬ”おビル見”しませんか?
もう今年はなくなってしまうダイビル(1925)やダイビル新館(1937)、
そして年末に最後のコンサートをしたフェスティバルホールを含む新朝日ビルディング(1958)、
近代建築なのに戦後ビルかのようにモダンな大阪朝日ビル(1931)も一望。

この新ダイビル自身も、2011年から建替えが決まっているそうです。
せつない気持ちにもなりますが、まだ時間はあります。
この贅沢な場所で過ごしながら、自分には、街には、なにがあれば幸せか・・・
なんてぼんやり思うのも悪くないかもしれません。

★冒頭の年賀状は、太陽の塔でクリスマスの頃に行われた
 デジタル掛け軸なる催しです。ネーミングはどうかなと思いますが。