大阪市の東側、鶴見通から少し南に下ったあたり。
かなり遠くからでも街並みの隙間からその不自然な色を確かに捉え
でも私にはわかる、きっとあれはすてきなビルにちがいない★と。
近付いてみると
街角にこんな渋ポップなビルを発見。
「渋い」と「ポップ」なんて相反することばのようですが
そんなふたつの要素が融合してしまうようなビル。
しかし内装やインテリアならまだしも
ビルの外壁にどーんとこんな色をチョイスするあたりも
この時代の勢いなのでしょう。
アルファベットの"K"にも見える不思議なラインを描く淡い紫色の壁。
お店のイニシャルとも違うし意味深です。
正面の壁は一階部分のランダムなタイルとの組合せ。
なんとも色気を匂わせます。
この時代の商業建築のなかでも美容室を構えるビルは
美を追求するだけあり、タイル使いや装飾にこだわった建物が多いようです。
美容室には女子のこころをくすぐる当時のおしゃれ感が全開。
ビルの魅力を引き立てる小物の数々も見逃せません。
実際、そんな昔の美容室をそのまま残して
若い方が新たに美容室をされているところもありますよね。
今ではガラス貼りで光が差し込む美容院も多いですが
わたしは個人的に美容院は閉鎖的であってほしい。
だって、パーマのカーラーをつけて待つ時間や
眉毛カラーをするときのコントのような眉のときの自分は
生まれ変わろうとしている瞬間であり、
それよりもすべてが終わって外に出たときに、ぱっと光を浴びたいものです。
話は脱線しましたが、
当時の日本人の文化や気質から生まれた「閉塞感」は
美容室に限らずこの時代のビル全体にも共通するところがあります。
オープンで明るいのをいいこととするだけでなく
どこか秘密めいていて、その奥に何かあるような。
ビルにほんのり漂うそんな「影」の存在がわたしは好きです。
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