ちょっと必要があって、船場に建築家・村野藤吾の作品がどのくらい残っているのか調べてみた。
結果は4つ。何となくもう少しあるような気がしていたけれど、この狭い範囲のなかで4つなら上出来というべきか。
輸出繊維会館(1960)
外観は一見あっさりとしてみえますが、エントランスホールとか地下とか、それはもう・・・(内部要許可)
フジカワ画廊(1953)
ガラスブロックで構成されたファサードが特徴的です。ガラスブロックの質感も今の製品とは風合いが異なります。バルコニーの手摺などとても工芸的です。
森田ビル(1962)
先のふたつに比べると地味な存在かもしれませんがこれも村野作品。同じパターンを執拗に反復するファサードは村野作品によくみられますが、じっと眺めていると外壁の質感もあって何だか不気味です。エントランスの前に立つ柱上部のとても微妙なアールはやはりすごいよ村野さん。
旧東京銀行大阪支店(1970)
今回調べるまで、この銀行が村野作品だとは知りませんでした。目の前を徒歩や自転車で数え切れないくらい通っているのに。でも調べて気付いてそういえば、窓のランダムな配置や、めくれ上がった外壁の石張りが前から気になってはいたんだと思い出しました。意識にのぼるかのぼらないかのラインで何となく気になっている建築、街にはそんな建築がたくさんありそうです。さすがに村野藤吾の作品ともなれば知っているべきところですが、街のビル建築はそのくらいでちょうどいいんだよ、と村野さんに教えられているような気もしたりして。
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