2009年3月16日

なにわの渋ビル




ここはネオン煌く夜の街、ミナミ
夕刻を過ぎると街は大人の香を漂わせ熱を帯びる

このミナミエリアが夜の街として栄える前からこの場所で
異様な存在感を放ち、どっしり構えるビルがあります

老舗の建設会社の大阪支店として使われ続けて50年近く
この奇抜な外観から、時にラブホテルと間違われる事もあるそうな

設計は村野藤吾、この外観を考えてる時は酔っ払っていたのですか?
と思える位、村野さん設計の中でもひときわ遊び心を感じます





一階の壁面は全面石貼りとこれまた贅沢
そして、ありました!
渋ビルに必ず現われる渋灰皿、やっぱりここにもヤツはいたのです
ガラスとステンレスの組み合わせ、足元どっしり、すごいバランスです・・・





さて、ご親切な会社の方に案内いただき館内を取材。
最上階のバルコニー
庇と支柱の連続感にワクワクしてしまう。

修繕工事の際はオリジナルの村野デザインを極力尊重していたようで
ほぼ当時のままの状態なのが素晴らしい。







品格を感じるサインや家具、木質の壁
何ともいえない温度と湿度を保っていて
今では決して作り出せない空気感がここにはあります






繊細で美しい形状の手すりと金物の階段は曲線を描き地下へと導いてくれる。

この先にまだ見ぬ宇宙が広がっているとは
もちろん知るよしもなく、階段に見とれながら地下へと進む






!!!!!

地下に突然現われた金属の壁

ろ・牢獄・・・?
緊張が走る

これは何かのワナか?

案内してくれている課長さんの口元が一瞬ぴくっと動いた気がした
笑顔で案内してくれたのには何か裏があるのでは!?

・・・目的は何?我々は一体どうなってしまうのか・・・

・・・でもこの先を見てみたい気持ちが溢れる、何があるのか。
どうにもならんのです!見たいんです!この先を!








なんだこりゃー!どこですかここはー!!
あなた方は一体何者なんですかー!!!





「ここぉ・・昔使ってた金庫室ですわ」
「昔は給料手渡しやったし、従業員もようさんおったんですわ」



なるほど、金庫室かと安心し、改めて見渡すと
まるで宇宙船の中にいるような錯覚を覚える





しかしなんて美しい金庫室でしょう!

こんな空間が他のビルに眠っているかも知れないと思うと
急いで発掘せねばと思う今日この頃なのです。



ちなみにこの会社には村野藤吾デザインの金属の手すりの一部(5kg相当)
が保管されており、なんとこの日うちのリーダーに贈呈されました。

嬉しそうなリーダー、しかしそんなでかいもんどこに置いときますのん・・・?
「また嫁に怒られる~」と言いながら手すりを担いで
地下鉄のホームへと消えていきました
この人怪しすぎるやん・・・

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