2009年12月9日

BMC2009回顧03 高岡伸一の選択

回を重ねてまいりましたそれぞれの選択シリーズ。
いよいよ今週はBMCが誇るビル学者、高岡伸一の登場です!

NTTの前身である日本電電公社のビルを愛するがゆえに、
そしてあまりにも熱くテラゾーの美しさを語るがゆえに、
電電テラゾーの異名を取るこの男が今回は電電以外で選びました。
テーマはカドマル(角が丸いサッシのビル)。

どれも一緒に見えるというそこのあなた!
騙されたと思って一枚5分ずつじっくり眺めてください。
そうすれば師走の街が明日から違った景色に見えてきます。













本町ビルディング(1961)設計:日建設計
大阪市内の代表的カドマル窓ビル。
2階に植木茂作のレリーフ、
見えにくいけど塔屋には今井兼次のフェニックス・モザイクとゴージャス。













船場センタービル(1970)設計:日建設計+大建設計
上空に高速道路、地下に地下鉄、そりゃビルもカドマルになるでしょうよ。
1kmにおよぶカドマル窓の反復は圧巻。アルミサッシは昭和鋼機製。













大阪証券会館(1964)設計:大林組
ミシュランから星をもらった高級料亭もカドマル窓。
外壁はイタリア産トラバーチン張だ。













額田ビルディング
間口の狭いスモールビルではカドマルはこうなるの見本。
近未来的デンタルクリニックの院長先生は画家でもあるらしい。













大阪朝日生命館(1961)設計:竹中工務店
「金色のアルミと機能的な角丸のサッシ」と設計者が解説。
何と車輌用のサッシをそのまま採用。
ナニワ工機製車輌用(隅R式)アルミサッシ。













旧・東洋工業大阪支社ビル(1964)設計:竹中工務店
元はマツダの支社で1階はショールーム。
と聞けばあ〜なるほどのオールステンレス製ボディ。
カドマルアルミサッシは東京カーテンウォール工業製。













イヨ森藤ビル(1965)設計:清水建設
これは珍しい出窓タイプのカドマル窓。
しかもステンレス巻きと贅沢な仕上げ。
絞ったアールの感じがいかにも未来的。













輸出繊維会館(1960)設計:村野・森建築事務所
言わずとしれた村野藤吾作。
1960年の時点で既にカドマル窓とはさすが村野さん。
外壁はイタリア産のトラバーチン。中もすごいんだから。













森田ビルディング(1962)設計:村野・森建築事務所
これも村野さん。ビミョーにカドマル。
今度は一転黒光りする外壁。カドマルの限界に挑戦か?













旧・ホテルプラザ(1969)設計:大成建設
巨大な壁面に散りばめられたカドマル窓のダンス。
不二サッシ工業製のアルキャストパネルのカーテンウォール。
よくみると六角形の模様が。
なぜか現在は大塚家具(泣)。

---------------------------------------
高岡伸一は水曜日にキオスクにいます!
キオスクは14:00~19:00(月・水~土)に営業中。
土日は"いまはモロッコ雑貨"屋のnoraさんが営業中ですし、
年内にはhitotoさんというギャラリーもオープン予定です。
どんどん賑わってきました。皆さんお立ち寄り下さいね。

0 件のコメント: